バレエ教室を選ぶ前に・・・
クラシックバレエ教室を選ぶ前に少しだけ考えていただきたいことがあります。漠然とでかまいませんので、目標を設定していただきたいのです。それによってお子さまにとって最適なバレエ教室が大きく変わってきます。教室に通いながら目標は徐々に変わっていくものですが、習い事の選択はお子さまの将来に影響するかもしれない大切な作業です。
技術を身につけることを軸にお考えの方は「発表会」と「カリキュラム」に注目してバレエ教室を探してください。クラシックバレエはとても繊細で、筋肉の付き方などが技術の上達に大きく影響します。トウシューズをまだ体が出来上がってない時点で履かせてしまう教室では本当の意味での技術習得は難しいと思います。また、クラス分けも大切です。なるべく同じくらいの年齢、技量の生徒さん同士でクラスを作らないと指導に偏りが出るため、大切なレッスンでほとんど先生に見てみらえなかったという事もあり得ます。技術については「品格」にも直結するので以下の発表会と合わせてご確認ください。
発表会の回数は教室選びの大きな指針となります。発表会には発表会用の練習があるため、あまり回数が多いと基礎練習や技術習得に必要なレッスンが不足してきます。発表会に出たいというのが最大目標であれば年1回ペースの教室を探すのもいいかと思います。技術を優先させたい方は2年に1回くらいの教室が最適です。発表会はバレエ教室においてとても大切な位置づけだと考えているので、各教室の発表会の考え方についてしっかりと調べてみることをおススメします。
コンクールやオーディションは生徒さんの大きな目標となります。コンクールやオーディションを目標の一つにするのであれば、積極的に参加する教室を選択してください。コンクール・オーディションには、専門の練習があるため、出場の経験が豊富な教室は出場の機会が多く有利な情報や練習が可能となります。
クラシックバレエを基礎に他のダンスに転向をお考えの方は、個人レッスンも可能な教室がいいかと思います。フィギアスケート、バトン、チアリーダー、ヒップホップ、ジャズなど様々なダンスや競技にクラシックバレエはとても重宝されています。他のダンスを考えていることをしっかりとバレエの先生に伝えて、それをサポートしてくれる環境の方が断然近道となります。他ダンス転向を前提とした受け入れを快く引き受けてくれる教室を探してみましょう。
技術よりも優先的に立ち振る舞いであったり、美しい姿勢であったり、発表会などを通して生まれる思いやりや感謝と言った、人として、女性としての品格を身につけることを軸にお考えの方は「講師」と「発表会」に注目してバレエ教室を探してください。クラシックバレエはとても繊細で、筋肉の付き方などが技術の上達に大きく影響します。外国のメゾットを取り入れた指導をする教室もありますが、外国の人の身体に合わせて作成されたメソッドは日本人の体型に要求しても無理があるケースが多く、変な筋肉がついてしまったり、足だけ何故か太い仕上がりの生徒さんをたくさん見てきました。もちろん、全ての外国式メゾット否定しているわけではありません。品格は講師の考え方、発表会のあり方に大きな影響を受けます。各教室の方針をしっかりとご確認ください。教室の方針についてはページ下部でも少し触れています。
講師には高いコミュニケーション能力が必要となります。「叱る・叱らない」「褒める・褒めない」など教室によって方針に違いがありますが、同じ「叱る」「褒める」でもコミュニケーション能力の違いで、まだ小さな子どもの生徒さんに与える影響・感じ方が全く変わってきます。叱られたのに次のレッスンでは笑顔で先生の元に寄っていったり、逆に褒められたはずなのに顔が緊張していたりと、心のバランスは成長力に直結します。「この子は注意されたことをしっかりと反復する子だから、将来ケガに繋がりそうな癖は嫌われてもいいから何度でも注意しよう」とか「この子は他の子が褒められてると嫉妬するからレッスンが終わったら個別にフォローしよう」とか、こういった「けなげだなぁ」「愛おしいなぁ」と思える瞬間をたくさん引き出して成長力変えてあげることが大切です。自分自身に高い実績のある有名ダンサーが必ずしも名講師ではないのは、こういった部分の違いにあります。講師の指導については無料体験教室で判断できることも多いので、教室選択の時は必ず体験教室を受けて講師にたくさん質問してみてください。その受け答えで講師の指導力・指導方針・力量がわかるかと思います。自分の目線で話す方と、生徒さんの目線で話す方の違いは自然に見えてくると思います。
「うちの教室は〇〇を取り入れてるんですよ!」「私は〇〇を卒業してるんですよ!」という発言が過度にあると少し危険かもしれません。自身の実績やブランド力というのも大切な要素かもしれませんが、あまり自分を過信してしまっている教室だと、自分が正しいと思ってしまっているため、柔軟性がなく、新しいレッスンや機材を貪欲に調べて導入の検討をするということがなくなってしまいます。本来素晴らしいものを否定してしまったり、たいしたことないものを褒めてしまったり、この様な言動はお子さまに大きな影響を与えてしまいます。人を見下したり、ライバル他社の製品にケチをつける性格に育てるのではなく、例えライバル他社の製品でも「良い物は良い」としっかりと言える正しい目、物の本質をしっかりと見て、正しい価値観を持ってこそ品格が身につきます。自分がある部分では優っていて、ある部分では劣っていることをしっかりと見つめられる大人になって欲しいのです。 教室を選択する時は体験教室などで講師との会話に注意してみるといいかと思います。
バレエの技術や品格はすぐに身につくものではありません。長い時間をかけて身体に蓄積されていくものです。どんなに遠くても信頼できる先生のところへ通うのが一番の理想だとは思いますが、実際はそうもいきません。お子さまが通うということを現実的に考えていくと、「ご両親が送迎できる環境か」「お子さまが安全に通学できるか」「通学に対する負担はないのか」など、気持ちだけでは解決できないシビアな問題が立ちはだかります。当校の生徒に限らず、せっかくクラシックバレエに触れる縁のあった大切なバレリーナの卵さん達には、やはりしっかりとクラシックバレエの基本を身につけて巣立っていただきたい。そう考えています。残念ながバレエ教室には「当たり・外れ」があるのが現実です。当校に通えないエリアの方でも教室選びでお困りの方は是非ご相談ください。明確な答えは導けないかもしれませんがアドバイス程度のことは喜んでさせていただきます。